パテック スカイムーンの巻き上げ

                                                                                                 

パテック・フィリップ社の極めて複雑なスカイムーントゥールビオン(PP5002)は、2002に導入され、今世紀の素晴らしいスター・キャリバーという懐中時計を基に、作られました。それは、時計作りという前進する工芸へのパテック・フィリップ社の姿勢を示すものであり、価格は570,000米ドルに設定され、スカイムーントゥールビオンは、ロブ・リポートにより、2002年ベストウォッチの中でも最高のものとして、名付けられました。

 アメリカ人における、腕時計モデル5002の初の所有者は、100を超えるパテック社の腕時計収集家であるが、彼は、毎日モデル5002を巻くようにしていた。
というのは、もし、その腕時計が止まってしまったら、
12種の複雑な時計合わせをしなくてはならなくなり、その作業は、飽き飽きするものと同時に手間のかかるもであるということを十分承知していたからである。
しかし、彼が、旅行にでたらどうだろうか?
その腕時計は、通常、金庫に入れてあり、その金庫のダイアル錠は、彼の家で働く者に共有するというものではなく、彼と彼の妻だけが持っていた。

 彼は、ワインダーを手に入れようと、パテック・フィリップ社に連絡をとったが、パテック・フィリップ社では、手動式ワインダーを入手することは不可能ということがわかっただけであった。
それでも、彼は、数多くののパテック・フィリップ社の腕時計の所有者達が、自分と同様に、万年暦時計が作動しつづけるように、手で時計を巻くという必要性があったが、既に、彼らは、オービタ社の手巻き腕時計用センプレ・ワインダーを使っていると伝えた。

その特許取得済みのセンプレ・ワインダーは、既に、パテック・フィリップ社により、テストされ、その性能を申し分のないものとされていたものであった。
しかし、モデル
5002に関しては、新たに未開地の領域があった。
パテック・フィリップ社のモデル
5016の万年暦や、パテックの他の複雑な手巻き腕時計とは異なり、モデル5002の竜頭は、時計の3時の位置ではなく、4時の位置にあった。
パテックは、オービタ社のセンプレは、通常の腕時計とは竜頭の位置が異なるために、その役目を果たせなかったものと思った。

 しかしながら、モデル5002の初のアメリカ人所有者は、その答えに納得がいかなかった。彼自身が、成功を収めた事業者だったので、この問題を自分の手で解決しようと決めたのだった。
彼は、オービタ社に直接連絡をとり、その問題を伝え、彼のジレンマであるこの問題を解決するよう掻き立てた。
「問題ないよ。我々だったらできるさ。」と答えたのは、オービタ社の社長であり、工学技術の教祖的存在であるチャック・アグノフであった。
チャックは、早速巨大なモデル
5002を収容できる特別な台のデザインに取り掛かった。(略図参照)
その腕時計所有者が提供したモデル
5002の寸法に基づき、チャックは最初に、はめ込み具合と、台の位置をテストするために、モデル5002の木製複製を作成した。チャックは、モデル5002が、確実にはめられるかどうかを確かめるために、修正した台を例の所有者に送った。
最初に試した時点では、ちょっとした違いが示されたが、すぐに、修正されたセンプレ・ワインダーは完全に作動し、そして、今では、手で巻かないでも、スカイムーントゥールビオンを毎日十分に巻きつづけている。
問題解決!

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